乾燥・焼却の豆知識

「木質チップ(木材チップ)」について

燃料用の木質チップ(木材チップ)は建築廃材や製材端材等の廃棄物などから生産されていますが、建築基準法の改正や経済状況の悪化によりこれらの発生量が減少し、燃料用の木質チップ(木材チップ)は原料不足となっています。

 

そのような状況の中で、森林保全のために間伐し、そのまま放置され未利用となっている林地残材(間伐材)を、バイオマス燃料として利用することが検討されています。

 

しかし、林地残材(間伐材)は水分が多く、そのままでは燃料として利用しにくいため乾燥が必要であり、その利用のために木質チップ(木材チップ)を乾燥する技術が活用されています。

 

林地残材(間伐材)の利用は、搬出コストなどの課題はありますが、森林保全や地球温暖化防止の観点からも必要不可欠なものですし、それに伴い、木質チップ(木材チップ)の乾燥技術の需要はこれから拡大していくものと考えられます。

 

バイオマス・地球温暖化抑制・循環型社会の実現などの観点からも、木質チップ(木材チップ)の乾燥技術は重要な技術であると考えられます。

 

当社では、木質チップ(木材チップ)の乾燥に優れた下記の製品を開発・設計・製造しております。
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「木質チップ(木材チップ)」について

木質バイオマス燃料は、品質規格が全国共通のものに統一され安定している化石燃料と異なり、薪や木質チップ(木材チップ)、木質ペレット等種類も多く、さらには同一の種類でも形状や水分が様々で、品質にばらつきがあるのが大きな特徴です。

 

しかし、木質バイオマスボイラ等の燃焼機器は、木質であれば燃料としてどんなものでも使用できるわけではありません。例えば、ボイラや燃料供給装置に適合しない形状や水分の燃料を投入すると、定格出力が出ない、鎮火してしまう、燃料供給装置が詰まるなど、化石燃料使用機器にはないトラブルが起きやすくなります。

 

日本では現在、木質チップ(木材チップ)ボイラが導入、運転されていますが、このように品質が不安定な木質チップ(木材チップ)燃料の規格化はまだ十分とは言えない所があります。

 

一方、現在運転中のボイラの履歴を見ると、何らかのトラブルを経験した機器が散見され、燃料の品質規格の基準化が必要なことを物語っています。

 

今後も木質バイオマスボイラの導入は期待されており、効率的かつ安定した燃焼やボイラの長寿命化を確保するうえで、燃料用の木質チップ(木材チップ)の品質・規格の安定化は不可欠であると考えられます。

 

そこで、木質チップ(木材チップ)ボイラの安定的な燃焼を確保するため、運搬経費の大小が製品価格に影響を及ぼしやすい木質チップ(木材チップ)燃料の特徴を考慮し、使用するべき燃料となる木質チップ(木材チップ)の品質・規格等を木質チップ(木材チップ)のガイドラインとしてまとめることが求められていると言えます。

 

木質チップ(木材チップ)のガイドラインを策定することは、安全・安心につながり、林業をはじめとする地域産業に寄与するものと考えられます。

 

木質チップ(木材チップ)燃料の特性として、木質チップ(木材チップ)燃料の原料としては、間伐材や林地残材、製材端材などが利用しやすく生産・運搬も比較的容易です。また、木質チップ(木材チップ)は、燃焼装置の燃料供給・燃焼の自動化が進んでおり大量利用に対応できることから、今後、最も利用が増えると見込まれるバイオマス燃料です。

 

木質チップ(木材チップ)燃料の取扱いには、他の木質燃料以上に形状や水分などに注意することが必要です。特に、形状・水分とボイラの適合性が重要で、この組み合わせを誤ると出力不足やトラブルの原因になります。また、不純物が混入すると不具合につながるので、品質管理を適切に行うことが必要です。

 

木質チップ(木材チップ)の形状と燃料供給システムの適正木質チップ(木材チップ)燃料は、木材を破砕したものであり、チップ化は燃料化において最も一般的な方法です。木質バイオマスボイラで木質チップ(木材チップ)を燃料として利用する際には、その形状、含水率が非常に重要となります。また、チップ形状は大別して切削チップと破砕チップに分けられ、チップ化する機械によって区分されます。

 

バイオマスボイラで安定した燃焼を行うためには、バイオマスボイラに合致した水分の燃料が必要となるため、木質燃料の水分管理を行う必要があります。一般的には、燃料供給時は販売者や生産者が確認を行い、燃料購入者は定期的にサンプリング試験を行って確認を行います。

 

主な水分の確認方法として、木質燃料に含まれる水分の比率を「含水率」と表します。木の含水率には乾量基準含水率(ドライベース:DB)と湿量基準含水率(ウェットベース:WB)が存在しており、日本工業規格(JIS)に含水率として規定されている計算方法が「乾量基準(ドライベース)」に相当します。一般的に、木質チップ(木材チップ)燃料の含水率は、湿量基準で表されることが多いです。

 

湿量基準(ウェットベース)とは、水分を含んでいる状態の木材(生木)の重量に対する水の割合を表しています。現状では「湿量基準(ウェットベース)」の方が、バイオマス計測方法として適切で国際的に定着しています。水分の比率は、湿量基準を表す含水率を用います。湿量基準含水率○%は、木材に含まれる水分の重量(kg)対 生木(湿った木)の重量(kg)の割合で示されます。

 

木質チップ(木材チップ)ボイラは、化石燃料に比べ初期の設備投資が割高となることから、チップ価格を抑え、運転経費も含めたトータルコストで優位性がない限り、民間への普及は困難だと思われます。

 

森林を構成する樹木は、光合成により大気中の二酸化炭素の吸収・固定を行って成長します。森林を持続的に利用して行くためには、成長量を超えない範囲での利用が必須となります。

 

また、木材の積極的な活用が望まれていることや、木質チップ(木材チップ)を敷設することにより植林地の雑草の発生量が抑えられるとも考えられていることから、保護路肩に木質チップ(木材チップ)を敷き詰めることで、植物の発生が抑制され、除草経費を軽減できるのではないかとも考えられています。

 

その他、木質チップ(木材チップ)の特徴と致しましては、以下のようなものが考えられます。

 

■木質チップ(木材チップ)炭は保水性に優れ、養分の保持能力も高い。
■木質チップ(木材チップ)炭に保持されている窒素は植物体に利用される。
■木質チップ(木材チップ)炭は硬く、粒が壊れにくいため耐久性に優れている。

 

(参考)「木質チップ燃料調達のガイドライン」・「木質チップの有効利用について」

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