プロジェクト・ヒストリー

ボルテックス乾燥焼却装置の開発・製造。し尿・下水・上水汚泥、製紙汚泥、食品・化学工場汚泥等の産業廃棄物の乾燥・焼却装置として、現在までに約170台以上のプラント装置が納入されています。従来は、乾燥と焼却を一体化した焼却装置(ロータリーキルン・固定炉・多段立型炉等)が主流でしたが、当社では研究の結果、初めて乾燥機と焼却炉を完全分離したシステムのボルテックス乾燥焼却装置の開発・製造に成功しました。1972年(昭和47年)、ボルテックス乾燥焼却装置は日米特許を取得しました。ボルテックス乾燥焼却装置は、産業廃棄物の汚泥乾燥機とボルテックス焼却炉を合理的に組合わせた装置です。当社が業界に先駆けて乾燥(物理的操作)と焼却(化学的操作)の分離を提唱して実現したもので、少ない燃費で汚泥の完全燃焼を図っています。乾燥機には、主に撹拌ロータリー乾燥機を使用し、焼却炉にはボルテックス焼却炉(ボルテックス撹拌吹込連続単段炉)を使用しています。撹拌ロータリー乾燥機は、回転円筒(シェル)内部に撹拌軸・撹拌棒を有する撹拌装置を装備しています。掻き揚げられた材料は、撹拌装置により破砕・分散を繰り返すことによって、熱風と接触を良くし、効果的に乾燥する型式です。ボルテックス焼却炉(ボルテックス撹拌吹込連続単段炉)は、撹拌吹込連続単段炉で炉内にある撹拌回転アームの下部から火吹竹の原理で燃焼に必要な空気を噴出し、処理物を撹拌させながら少ない燃費で完全燃焼させる型式です。特長としては、完全燃焼のため焼却灰の熱灼減量が少なく、焼却炉燃焼ガスを乾燥装置に有効利用している省エネルギータイプで、連続自動化のため省力化され、昇温時間が短く、肥料化も可能にするため乾燥処理と焼却処理の切り替えが容易です。なお、乾燥装置を炉の前に設置しているので含水率・処理量の変動に対して順応性の高い運転ができ、また、中間ホッパが設置されているので安全運転・燃料節減になっており、合理的配置のため、設置面積が小さくても設置が可能です。用途としては、し尿・下水・上水処理場より発生する汚泥、食品・化学工場などから発生する活性汚泥・産廃汚泥、紙パルプ工場・その他各種産業から発生する汚泥、各種化成スラッジ、その他泥状物の乾燥および焼却などです。1972年 (昭和47年)、東京電気株式会社様にメッキスラッジ用乾燥焼却として第1号機を、その後、武田薬品株式会社様に活性汚泥用乾燥焼却として納入以来、し尿・下水・上水汚泥、紙パルプ汚泥、食品・化学工場汚泥等の産業廃棄物乾燥・焼却装置として、現在までに約170台のプラントが納入されています。