リグニンとは、植物細胞壁に存在する複雑な高分子化合物で、木材を形成する植物に多く含まれています。リグニンは、セルロースやヘミセルロースとともに細胞壁の重要な構成成分で、植物に以下のような役割を果たしています。
リグニンは細胞壁に存在するセルロース繊維の間を埋め、構造を強化します。これにより、植物は高く成長したり、風や重さに耐えることができます。
リグニンは細胞壁を疎水性(防水性)にし、植物内での水分の移動を調整します。これにより、水を効率的に運ぶ道管が強化されます。
リグニンは化学的に安定しているため、分解しにくく、微生物や病害虫から植物を守る役割を果たします。
リグニンは木材や植物由来のバイオマスに含まれる高エネルギー成分でもあり、燃焼や熱分解によってエネルギーを得ることができます。
リグニンは再生可能エネルギーとしても期待されていて、石油依存の脱却やカーボンニュートラル達成に向けて重要です。現時点ではコストや効率面での課題が残りますが、技術革新により、将来的には主要な再生可能エネルギーの素材として期待されています。
リグニンは樹木由来で、木を伐ると森林が減って環境破壊に繋がるのではないかと思われるかもしれませんが、苗木を植えたままにしておくと、やがて樹木が成長し、枝が伸び、日当たりや水はけが悪くなるなどの問題が生じるため、適切に間伐を行い、森林を維持する必要があります。このような森林の維持のために日本国内だけでも年間5000万トンもの樹木を伐採する必要があります。現在およそ年間500万トンの合成樹脂が石油から作られていますが、他方、年間800万トンもの間伐材は、使われないまま山地に放置されたり廃棄されたりしています。その捨てられている残材を活用するだけで、工業的規模で安定的にリグニンの原料を得ることができ、同時に、森林を定常的に保つことができるのです。
大和三光製作所は、再生可能エネルギーの元素材として期待されるリグニンの乾燥処理の技術開発に力を入れたいと考えています。
リグニンの乾燥処理をお考えの企業様は、是非、お気軽にご相談くださいませ。